オステオパシーについて


オステオパシーは具体的に何をするかが分からない方も多いと思います。
一言でいえば身体が本来持つ能力を取り戻すことです。
治療はこの症状にはこれ、というような決まったものはありません。
なぜなら人それぞれ原因が異なるからです。たとえ同じ場所の痛みであっても、必ず原因は違うはずです。
どんな症状に対しても全身を調べてその人の今一番問題になっているところを探し出し治療していきます。
身体は常にバランスを保とうと懸命に働いています。
しかしその能力はいつか限界に達して機能しなくなってしまいます。

まるで操り人形の糸が絡み合って動かなくなるように・・。
オステオパシーの施術はこの絡み合った糸をほどいていくようなものです。

手による技術で一つひとつからまりをとっていくことで
動けなくなった身体が再び自らの力で動きだします。
施術は指圧やあんま・マッサージのようなものではなく、
緊張を起こしている組織や位置のズレている骨や関節に対し
元の状態に戻るようにゆるめながら誘導していきます。

時には構造を大きく調整するために少し強い圧をかけたりすることもありますが
ほとんどの場合ゆっくりと触れる程度の圧で施術を行います。
施術中は眠ってしまう方も多く、身体の内から緊張がとけていく感じです。

身体は一つのユニットであり、体にある問題、組織の緊張や骨や内臓などの
位置異常により起こされている体の不調和に対し、手によって調整を行います。
触診や身体の動き等をみて、体の機能をブロックしているところが正常に働くようにします。

身体が求めている訴えをとらえて、適切な施術を施せば、
身体は自ら回復させようと力を発揮します。

これが自然治癒力であり、施術はこの治癒力を抑制しているところを
見つけ、リリース(開放)することで、身体が自ら回復することを目的とします。

現代医学における治療は局所に焦点を当てていることがほとんどです。
「肩が痛い」「腰が痛い」など「~が痛い」という訴えに対し、
症状のある部分を検査し原因を探ろうとします。

その痛みはどこから来るのか?という考えではありません。

オステオパシーの施術は症状を扱うのではなく原因を扱います。
「痛みは身体からのサイン」ともいい、体からの一つのシグナルにすぎず、
体のどこかに問題がある、と訴えているのです。
昔の手術の影響で肩が上がらなくなったり、
足首の捻挫が問題で頭痛や顎関節がが痛くなることもあるのです。

症状を追いかける対症療法では解決しないものも多く存在します。
痛みがあるからといってそこを施術するとは限りません。
遠く離れた場所を施術することも多くあります。

その問題を引き起こしている原因を治療していくのがオステオパシーの施術です。

A.T.Still
「原因を見つけ、そこを調整しあとは放っておきなさい。
病気とは決して治療者が治すのではなく、我々は手伝いをす
るだけ。治すのはあくまでも患者の持つ自然治癒力であり、
自身の生命力なのです。
我々オステオパス(オステオパシーを行う者)はただ患者の体に
耳を傾け、身体の組織と対話し、身体が訴えている必要な
処置をするだけ。あとは自然が解決するのです。」